50男の働き方改革~なるか、自営の道~

平成最後の31年4月末、30年近く勤めた会社を希望退職。再就職せず、生きることを目指す50男の記録

【働き方改革15】日本の四季とハンガリーの四季

 

 「日本にはほかのどこの国にも(負け)ない四季がある」

 こんな言葉を親なりから聞いたことはありませんでしょうか。

 そして、疑問に思ったことはありませんでしょうか。

 確かに、東南アジアの国と比べれば日本の四季は明白です。夏には燦燦とした陽光が降り注ぎ、冬には雪が舞うー。日本列島は長いので、雪の降らない地域もありますが、それでもすべての日本の地域で四季ははっきりし、そのうつろいが日本人の情感に深くかかわっていると思います。

 それでも、それは「赤道近くの国々と比較すれば」という程度の話であり、すべての国に胸を張って言えることではないのではないか。そんな風に、ずっと首を傾げつつ過ごしてきました。別にどうでもいい話ではあるのですが、でもなんか気になってました。少し考えれば否定できそうな話を、なんで疑いもせずに言えるのだろう?、と。

 

 そして、昨日、NHKでたまたま「少年寅次郎」という車寅次郎の少年期を描いた山田洋二監督原作のドラマをみて、膝を叩きました。

 第2話だった昨日は、寅次郎少年の小学校におけるやんちゃぶりが描かれ、病に臥せった兄とのやりとりで始まりました。裕福な家でした。何をしているかわからない父は家で寝そべり、家を訪ねてきた弟夫婦といさかいになります。原因は父が「弟」「弟」と言いつのったことにあったのですが、その言葉の裏には「赤紙」による招集が「弟には来ても、兄たる自分には来ない」「だから覚悟しとけよ」という思いがあったようです。そんないさかいのなか、兄である父の元に赤紙が届けられます。

 それを受け取る母役の井上真央の演技もなかなかよく、寅次郎少年の闊達さも情感ある演技もよく、ドラマの中に引き込まれました。そんなころの寅次郎少年の教室で、日本の四季のすばらしさをみんなで読み上げる様子が描かれたのです。

 

 先生が読んだ文章を子供たちが一緒になって復唱していく。その様子を見て、「だから、日本人全体がなんとなく、日本の四季が世界一と思ってるんだ」と思ったのです。「人を鼓舞するには褒めるのが一番」「特別感を持たせるのが一番」ということだったのでしょう。戦前生まれの私の両親もこんな唱和をしたから、「日本の四季はどこよりもすばらしい」なんてことを言えたのだなと思いました。

 冒頭に書いた通り、「すばらしい」のは間違いはないけど、「どこよりも」となると疑わしいーというのが私の考えです。

 

 ハンガリーには今年6月に17泊しました。着くまでは異常気象のような長雨続きで、ドナウ川で観光船の衝突事故が起こったほどでしたが、着いてからは晴れ続き。日本の夏のような暑さでしたが、湿気が少ないため、過ごしやすかったです。ハンガリーに行ったのは初めてなので、これ以外の季節は経験していませんが、「地球の歩き方」には「緯度は北海道と同じくらい。内陸部のため、大陸性気候で四季がある」とあります。

 

 ハンガリーは農業大国です。街中のスーパーには新鮮な野菜や果物が並んでいます。花が大好きな国柄なので、カフェやテラスには花が多くみられました。だから、間違いなく、ハンガリーの人たちは四季それぞれの恵みを楽しむ文化をもっています。ハンガリーを訪ねたことで四季だけではなく、食文化や地方都市の豊かさ、キリスト教の根付き方などを肌身で感じました。それは日本にいるだけでは感じられないことでした。

 

 10月2日の「【失業5カ月】走り出す。」という記事にも書きましたが、この時のハンガリー訪問で見つけた商材で輸入事業をしようと思っています。どれだけ儲かるか、そもそも儲かけることができるのかー。そんな問題はありますが、手掛けた商材を手に取って気に入ってもらえた方に、ハンガリーに興味をもってもらい、日本とは違うハンガリーの良さを知ってもらい、ついにはハンガリーを訪ねてもらう。

 それができれば、事業としては成功とします。

 そう思うのは、ハンガリーのような親日国をいまのような遠い国のままにしておくのは、日本にとってもったいないと思うからです。