50男の働き方改革~なるか、自営の道~

平成最後の31年4月末、30年近く勤めた会社を希望退職。再就職せず、生きることを目指す50男の記録

【再就職手続き21】名刺をつくる。100枚1000円。。

 名刺を作りました。会社以外の名刺を作ったのは2回目です。

 1回目は数年前。夢想していた事業を行う前提で、気分を盛り上げるために作ってみました。100枚で1000円。作ってみて「詐欺れる」と思いました。

 「名刺って、こんな簡単にできるんだ」とも思いました、世の中には名刺をつくる会社がいくらでもあって、名刺作成自販機も見たことがあるような気がするので、名刺が簡単に作れるというのは、当たり前といえば当たり前です。でも、この時に心の中に生じた感覚は、初めて手に取った1箱のタバコがとても軽く感じた30年以上前の記憶がよみがえるものでした。

 つまり、「世間的に良くないとされているから、良くない」と思っていることには、「越えてはいけない一線」ような線が引かれ、そのことによって「重み」までが加わってしまう。1箱のたばこの軽さを思い出し、そんなことを考えてしまうのですが、名刺も似たような感じだったのです。

 

 今回は、実際上の必要性から作りました。ライティングの仕事などで人と会う機会があって相手から名刺をいただいたのに、渡す名刺がなかったのです。無職だから仕方がないと思い、相手の方にも納得はしていただけたのですが、結果として、自分の名前と電話番号とメールアドレスを書いて渡すということがありました。

 ご迷惑をお掛けしたと思いました。だから、2回目の名刺作成となったのですが、肩書をどうするかで悩みました。フリーランスフリーライターとか、ライティングの仕事を少しぐらいはしているのですから、そういう肩書にしてもいいとは思いました。でも、本業ではありません。本気で取り組む状況にもなってない、腰が定まってない。だから、どうも、この肩書は違うと思いました。

 そこで、ネットを検索してみました。やはり、名刺をどうするかは、会社を辞めた人たちに共通する悩みのようで、いくつも関連サイトが出てきました。そのうちの1つから、「無職・フリーター用名刺」の販売をしている会社を知りました。

 テンプレートとして20種類読用意されており、肩書はニート」や「無職」「フリーター」。その肩書と名前のうえに「代表戸締役」「無職上等」「仕事ください」「玉の輿希望」なんてのが書かれいます。

 20代なら、渡す相手によっては問題ないでしょうが、当たり前ですが50男には無理です。どうしようかと悩んでいるうち、これまでにいただいた名刺を参考にしようと考えました。もちろん、会社員なら社名と肩書がぱちっと立派に書かれます。自営業でも社名があって、代表とかなんとかの肩書があります。

 「参考にならないな」。そう思いながら、ぺらぺらと名刺入れをめくるうち、目についたのが肩書のない名刺でした。 時折参加するある会合には、高齢の方が多いのですが、そういう方も名刺をもっているのです。もちろん、立派に仕事をされている方もいるのですが、年金暮らしの無職の方もおられます。そういう方の名刺には肩書もなにもないのです。住所と名前と電話やメルアドだけ。その名刺を見ながら、「こんなんでも、いいかな」と思えてきました。

 所詮、これという肩書はないのです。名刺をいただいたお相手に、名前や連絡先を書く時間を待たせないための名刺です。「なしでも、いいやん」と思えてきました。 で、2週間ほど前に、名刺をつくってくれる店に行きました。そして、名刺に盛り込む内容として、住所と名前と電話番号とメルアドだけを記しました。マンションの部屋番号を入れるかどうかに悩みましたが、潔く入れました。

 横書きにしてでてきた名刺は、社名のスペースも肩書のスペースも空白で、名前の下に住所と電話番号とメルアドが記されているだけです。100枚1000円(税別)。ありがたいことです。

f:id:takashi196608:20190927105604j:plain

 一番手前の一枚以外はすべて表面です。空白部分は通常なら会社名と肩書のある場所。改めて見て、寒々しい思いがします。

 この名刺、渡した人はまだ一人だけです。久しぶりに京都に行った際、京都在勤中になじみとなった店に立ち寄って、「これ、新しい名刺です」と言って大将に渡しました。「まだ無職だから、肩書もなんもなしです」と。いちおう、ありがたく受け取ってはくれました。。。