大学同期らに疑問にもたれた国民健康保険料の安さ。月額13560円というのはあまりにも安く、私自身「ほんまかな?」「大丈夫かな」「あとで、違いました。つきましては差額の30万円をお納めください」なんて言われないかな、と不安に思っていたので、隣の市に電話して確認しました。問題ありませんでした。結局、多くの人は「見込所得の大幅減少に伴う国保料の減免措置」を知らないだけなのだと思います。
この写真は、6月分の保険料を還付したことに対する、役所からのお知らせ書類です。6月は減免手続きが間に合わず、前年所得を基準とした85338円の保険料が引き落とされました。減免後の保険料は13564円なので、その差額71774円が「過誤納」だったとして還付されたのです。
役所がここまでの手続きをしてくれたのだから、「私の国保料は月額13560円(6月分だけ初月なので4円加算) で間違いない」とは思っていたのですが、その後、大学同期と話していて、「前年所得が反映されないのはおかしい」という声が出ました。そして、その場にいた、国保に数カ月だけ加入したことがあるという同期の仕事仲間が「かつて失業してお金がなかったとき、数か月だけ国保料の納付を猶予してもらって、その後に健保に加入したら、数カ月分の国保料として30万円ほどが請求された」との話まで出ました。
さすがに、ここまで来たら、安閑としておれません。
なので、時間に余裕があった数日前の夕方、隣の市の担当課に電話し、「大阪市では
『退職後の収入見込みがほとんどない場合は、前年の収入に全く関係なく保険料が決まる』ということで、所得割がなくなって13560円の月額国保料になったのですが、同様の制度はありますか」と尋ねました。電話口に出た女性は即答できかねたので、同僚に確認した後、「あります」と答えました。
やっばり、あったんです。間違いではなかったのです。
HPを検索すると、大阪市の制度として、以下のようなものがありました。
退職、倒産、廃業、営業不振等にかかる減免(要申請)
平成31年中の見込所得(年度途中の退職等の場合は、当該状況が発生した月以降の見込所得)が、前年比10分の7以下となる方 (退職・倒産・廃業・休業や営業不振等のため、見込所得が大幅に減少する方) について、医療分・
後期高齢者支援金分・介護分保険料の所得割を減免率表に基づき減免します。
減免率表
所得減少率 |
減免率 |
100% |
100% |
90%以上100%未満 |
90% |
80%以上90%未満 |
80%
|
70%以上80%未満 |
70% |
60%以上70%未満 |
60% |
50%以上60%未満 |
50% |
40%以上50%未満 |
40% |
30%以上40%未満 |
30% |
私の場合、退職後の所得はゼロと見込まれたので、「所得割が100%減免」となったのです。ちなみに、
UBER EATSなどで数万円の収入はありますが、これはたぶん、
基礎控除などで相殺される額です。だから、収入から
基礎控除などを差し引いた所得額はまずまちがいなくゼロ。だから、100%減免というわけです。
私が大阪の区役所で疑問に思って口にした「もし、再就職できて所得が生じた場合はどうなるのか」についても、聞いてみました。当たり前ですが、
大阪市と対応は同じで「翌年の
国保料に反映されるだけで、今年の
国保料に変化はない」とのことでした。
では、定年退職の場合はどうなるのか。
このことを疑問に思うのは、多くの定年退職者が組合健保なりに任意継続で加入し続け、7万円とかの保険料を払い続けているケースを知っているからです。本人はその方が得だと思って入っています。確かに、定年後も再雇用によって働いている場合は、
国保に入るより任意継続の方が得かもしれません。
しかし、再雇用の道を選ばなかった場合はどうなんでしょう。
大阪市のHPによると、「
印かん(自署の場合は不要)、事実を証明する書類(退職証明書・離職票・雇用保険受給資格者証・廃業届等)、退職等事実発生後の収入(所得)がわかる書類(年金振込通知書等)」が必要とのことです。雇用保険受給資格者証が必要になっていますので、失業者として認定される必要があります。
つまり、私と同じように、格安の
国保料で済ますことができるように思えるのです。
私が通うパソコン教室には、府立高校を定年退職した還暦の方がおられますが、任意継続の道を選び、高い保険料を払っているという話をしていたと思います。最初に記した大学同期の仕事仲間のケースでは、「退職等にかかる減免」が適用されなかったとしか思えません。
では、なぜ、適用されないのか。
大阪市のHPからコピペした減免制度の見出しに「(要申請)」とあるのが、キーだと思います。
申請が必要なのです。
私は幸いにして窓口で「今年の収入は見込めないんですよね」と聞かれたから「ほとんどないですよ」と答え、減免申請の窓口に行くよう促されましたが、この促しがなければ当然、私は申請していませんでした。そうなると制度が適用されず、会社都合退職に伴う減免分だけが適用された月額34960円の
国保料を払うことになっていました。(会社都合退職に伴う減免措置の適用がなければ85338円)
私は幸いにして「情弱」を免れましたが、上記のような状態から、私には(この制度に関しては)「情弱」状態に置かれている人が多いように見受けられます。
このような状況について、私の判断が正しいのかどうかについては、今でも少し不安です。特に、定年退職者については自分の身に起こったことではないため、より不安は大きいですが、一番のキーワードは「要申請」です。
もし、これをお読みになって、自分が当てはまるのではないかと思われた方は、ぜひともお住まいの
自治体の窓口にお問い合わせください。そして、その顛末をお知らせいただければ幸いです。よろしければ、このブログに差支えのない範囲でその顛末を記します。