50男の働き方改革~なるか、自営の道~

平成最後の31年4月末、30年近く勤めた会社を希望退職。再就職せず、生きることを目指す50男の記録

【働き方改革9】それって、ワーカーホリック! フリーランスのパソコン教室講師は働くのが大好き。

 web制作に関するパソコン教室に通い始めて2週間ほど。ワードは終わり、エクセルも最終盤に近づき、習得状況のテストが週末に行われます。個人的には、OJTでしか、これらソフトを触ったことがないため、得るところの多い授業と思っていますし、何より、講師のアラフォー男性の話がおもしろい。

 

 毎朝、授業の始まりとともに日直の掛け声であいさつが行われ、日直による3分間スピーチが行われるのですが、みなさん「なぜ、ここにいるのか」を率直に語ります。

 

 今日のアラサー女性はグラフィックデザイナーとして働き始めたとのことですが、若い女性が「この色がよい」と思っても、「なぜ、この色がよいのか、を説得力をもって言えない」ので、広告代理店に転職して説得のノウハウを学んだというのです。

 しかし、働き始めてしばらくすると、父が末期がんになったため、最期の時間を共に過ごそうと会社を辞めて父の看護にあたったとのことです。

 女性は優しいなぁ、と思って聞いていた私の耳には、「余命半年を超えて長生きして、仕事をしないといけないとなって、再就職にはwebのスキルが必要と思って、このクラスに参加した」といった話が聞こえてきました。

 話の入りもうまく、すごいなと思って聞き終えたのですが、毎回、3分間スピーチを受けて話を展開するアラフォー男性講師は「私のおじさんも末期がんになって、彼は医者だったんですけど、余命1年と自らわかってて、そして、その通りに亡くなりました」「いつ死ぬということがわかって生きる気持ちは、これは想像がつきません」「で、お父さんは、どれくらい生きられてるんですか?」

 

 ちょっと驚きました。

 

 ただ、女性の話を聞いていた私も、「もしかしたら余命半年の宣告から、4年、5年経ってる?!」と思っていたので、「まあ、ぎり、ありか」と思ったのです。しかし、女性の答えは「1年ちょっと」程度の話だったと思います。

 

 それでも、つつがなく話をつないで終えたこの講師にも、「すごいな」と思ったのですが、彼は今、フリーランスなんです。

 

 カメラマンとして本体だけで30万ほどのカメラを持ち、レンズもいろいろもち、料理をおいしそうに撮るための照明機材もいろいろ持ち、いろんなところに出没するそうです。さらに、プログラマーとしても時給2000円~5000円程度で仕事を請け負っているとのこと。もちろん、ここでの講師としても稼いでます。

 

 「なんで、そんなに働くの?」という問いは無粋です。

 

 フリーランスである以上、「基本は仕事を断らない」。それがフリーランスのスタンスだからです。私も、ライティングの仕事を請け負いながら(失業者の身分がありますので、それほど切迫感はありませんが)、そういう気持ちを理解し始めています。

 

 「これで職業訓練を終わります」のあいさつの後、しばらく教室で復習をしながら、彼に問いました。「完全丸1日が休みの日って、月にどれくらいありますか」と。やはり、「2、3日」でした。

 

 そう答えた後、彼は「ワーカホリックかもしれない」と話したのですが、その話を聞きながら、政府の働き方改革には「働かせない改革やんけ」「会社員は働いたらあかん、やけど、自営業者は死ぬまで働けやもんな」と思いつつ、「会社員辞めたら、好きなように、好き放題働けるな」とも思っていたことを思い出しました。

 

 「働く」って、やっぱり「人の役に立つ」「人に喜んでもらえる」ってことでしょうから、本来的には「おもしろいこと」だと思うんです。だから、「おもしろい」って思える仕事を、「ワーカホリック」のようにやれる彼は、幸せだと思うし、「あー、そうなれたらなぁ」とも思うのでした。