50男の働き方改革~なるか、自営の道~

平成最後の31年4月末、30年近く勤めた会社を希望退職。再就職せず、生きることを目指す50男の記録

【再就職手続き17】「希望退職3回は消滅必至」「再就職せかすは、求職者のためならず」。再就職コンサルの本音

 先日、月に1度のペースで行われている再就職斡旋会社のコンサルに行ってきました。この方のコンサルを受けるのは、今回で確か3回目です。私がパソコン教室を受講しており、即座の再就職を考えていないことは先方も承知してくれているので、毎回、雑談のようになります。そして、3回目の今回は前回よりも雑談が多く。。いや会うなり、雑談モードになっていました。

 そういう雑談モードの話の中には、やはり「これ」というものもあるのです。そんな、私の心にひっかかった話はこれまでも報告してきましたが、今回のは「ひっかかる」以上に「刺さって」きました。

 

 まずは、「希望退職3回」の話。最近、2度目の希望退職を募る会社の話を耳にしたことから、その話をふると、「2度目をする会社は必ず、3度目をする。そして、3度した会社は必ずつぶれる」と断言し、レナウンの名前を挙げました。

 レナウン娘のレナウン。「そういえば、名前を聞かないなぁ」などと、自身の社歴からいうととぼけた感想をもってしまったのですが、山東如意科技集団の名前をネットで見つけて、「そうだ、中国のこの企業に買収されたんだ」と思い出しました。

 レナウンのホームページを覗くと、会長と社長以外はほとんど中国人名。9年前に買収されて以降も苦境が続いているのか、レナウンのアパレル不振は今も続いているようです。この4年の売り上げの減少はひどく、昨年は大幅な営業赤字に陥っていました。

 レナウンの名前を聞いて思い出したのが、カネボウです。こちらはカネボウ化粧品花王に買われ、食品などがクラシエになるなどして見事に解体されました。当時の社員の方々がどうなったのか、私は知りませんが、この日にコンサルの方が語った「銀行が不振企業に入った時に考えるのは、その会社をいかに高く売るかということだけ。社員のことなんかまったく考えていない。銀行に入られたらアウト」という話が、カネボウにはぴったり当てはまるのかもしれません。

 

 この方がそこまで強い口調で言えるのは、「保険会社が社会人としての振り出しただっから」でした。そして、この日、もう1つ強い口調で、部屋の外に声が漏れるのを気にするそぶりをしてみせながら、そして半ば寂しげに話したのは、再就職斡旋会社の体質の変化についてでした。

 私が退職する前、再就職斡旋会社の話を聞く機会があったのですが、この会社も、別の会社も、ともに3カ月のうちに再就職しないと「えらいことになる」と指摘しました。ご丁寧に、3か月以上経ってから再就職した人のケースは非正規が多く、給料が安いことも示しました(あー、私はすでに3カ月経ってる!)。

 私は「あほか」「足らんスキルを身に着けようとして何が悪いねん」「急いで再就職する方がおかしいわ」と思ったものですが、どうも昔の再就職斡旋会社は違ったようで、「再就職を希望する人の気持ちを一番に考えていたから、再就職の時期なんかまったく考えず、希望に沿うようコンサルとして努力できた」そうなんです。

 だから、コンサルとして働くことにも「やりがいを感じた」そうですが、今の再就職斡旋会社(上層部)は「早く再就職しろ」と言うばかりとのことです。 「個々のコンサルとしては再就職希望者の意向を最大限尊重したい」。でも、「再就職希望者ファースト」という、以前は会社の上層部から発せられた声が、今はどこからも聞かれないとのことなのです。

 

 「なんで」と問いますと、「それがクライアント企業の意向だから」。で、「なんで、クライアントの企業は、辞めさせた人の早期再就職を求めるのか」と聞いても明確な答えありませんでした。私の勝手な解釈ですが、「クライアント企業は世間体を気にしているだけ」なのでしょう。

 私には、私が勤めていた会社が、辞めた人間の幸せを求めているようには思えません。社員の一人ひとりは違いますが、上層部、会社の意志となると「辞めたやつは石もて追え」といった印象です。これは、漏れ聞いたある事実から判断できることです。たぶん、会社総体としては辞めた人に幸せになられるのが厭なんでしょう、困るんでしょう。なんか、悲しいです。

 

 で、そんな本音をぶちまけてくれたコンサルの方ですが、1時間を超えた面談の最後には「パソコン教室が終わる11月半ばには、再就職を決めてもらいますからね」と言いました。私も再就職するかどうかは別にして、目の前の霧を払って、この時までには自らの身の振り方を固めたいと思っています。やっぱり、「亭主元気で留守がいい」から。パソコン教室という居場所がなくなるのが、辛いからです。。。