【働き方改革3】【ハンガリー4】世の中、いろいろである。
「ヘタリア」という漫画を知っておられますでしょうか。
ニューヨークに在住し、デザインを学んでいた日丸谷秀和さんという若者がweb上に発表していた漫画だったのですが、幻冬舎が目をつけて漫画本として出版し、ドラマやアニメにもなったようです。
タイトルの「ヘタリア」はヘタレとイタリの造語、日独伊の枢軸国においてイタリアは戦闘の現場をドイツに任せっきりで、自分たちは何かあるとすぐ引っ込んじゃう。そんなヘタレなイタリアからタイトルがつけられたとのこと。ご想像のとおり、各国を擬人化して国際関係を皮肉を込めて描いた漫画のようです。
それが、なぜ、このテーマの出だしになるかというと、この漫画を読んで、海外に行くようになった若者が多いと、同じホステルに住まう20代の女性に聞いたからです。この女性は、前日の書き込みで紹介したハンガリーのワーホリで働き始める女性です。
彼女は勤務開始を1週間後に控え、さきほど、3泊程度のスペインの旅に向けホステルを出発しました。
彼女は現場で特殊工作車を動かす仕事をしていたが、なかなか厳しい仕事環境だったらしく、事務の仕事に移りますが、そこも2年ほどで辞めて今の旅を始めたとのことです。彼女自身は、ヘタリアかぶれからの世界旅ではありませんでしたが、やはりブタペストのホステルに投宿するようなのは、私も含めて変な人ばかり。
一昨日から、ドミトリー住まいには、20代の男女1人ずつと60代のおしざんの計3人が加わりましたが、20代の若者は会社務め3年ほどで失語症となって会社を自己都合退職、退職したら失語症が治り、海外に行き始めたとのことでした。
20代の女性はオランダに留学中で、月に1度ほどはハンガリーで農業ボランティアをしているというから、ある意味優雅ですが、60代の元公務員の男性は未婚のまま 脳梗塞を患い、 リハビリ兼務で海外にこの10年ほど行き続けているといいます。
そう。多くはなんやかんや、傷を持っている。でも、その弱さが招いた期間を単なる負として受け止めず、新たなチャレンジなどに向かう土台づくりにしようとしている。そんな印象も受けました。それはたぶん、自分も同じだから。
昨日は朝早く目覚めたこともあって、オスマン帝国に支配された際にできたトルコ式のキラーイ温泉に行ってきました。日本円にして700円ほどで広い湯舟と、サウナと水風呂、ジャグジーに露天の樽風呂も楽しめました。行き来はトラムと呼ばれる路面電車で、1カ月3500円ほどのフリーパスを買えば、バスも地下鉄も含めて乗り放題だから、気軽に行けてしまいます。
で、そんな温泉の行き返りの中などで、改めて平日のブタペストの様子を眺めたのだが、スーツ姿の人がいないのです。ジャケットを着ている人は多いが、多くはコットンパンツ。ジーパンもいます。
みな、これで仕事をしているのか?
そう思いました。前の会社は服装に関しては緩かったので、私もジャケットにコットンパンツが多かったのですが、スーツを戦闘服として着る同僚もいました。多くの日本人サラリーマンはそんな意識でスーツを着ているのではないでしょうか。そして、マウントのし合い。。。
しかし、ハンガリーではそんな気張った着方をしている人はみられません。たまに、スーツ姿の人も見ましたが、これはおしゃれ。おしゃれとしてスーツを着ている感じでした。
上の写真は中央市場。下の写真も観光地ですから、写真としてはあまりふさわしくないかもしれませんが、どこを歩いていてもこんな感じです。
そして、パリ在住10年の男性に聞くと、ハンガリーだけでなく、ヨーロッパはだいたいこんな感じ。日本だけが、スーツを制服のようにして「働くときにはスーツ」と決めているが、ヨーロッパは概してそんなことはないとのことでした。
人間は着るもので仕事をするのではない。着るものを着たから、仕事ができるのではない。
ハンガリーには、Tシャツ姿の人もいっぱいだから、ホリエモンが正しいということになるのでしょう。(ちなみに、私は、女性だけが自由な服装が許されて、男にはスーツを強いる日本が嫌い、というか、おかしいと思います。この性差はなんなんでしょう)